弊社のような小規模な会社において、人の育て方として、最近考えされられることがある。

新しい会社に入ると、それまでの業務の進め方、報告書の書き方等を覚えていく。
この画一的に覚えていくという作業は、大きな企業であれば効率的である。
ただ、逆に小さな企業でそれぞれの個性を活かしたい場合、今までのやり方をそのまま受け継ぎ、自分で考えることをやめてしまうという欠点があるのではないか。

弊社では他のコンサルティング企業で働いた経験がある人よりも、別の業界で深い業務に関わってきた人を採用する例の方が多い。
コンサルティング企業で働いた経験のある人は、それまでの固定概念を破って弊社の仕事をすることが難しい。
これくらいでいいだろうという固定観念のもと、それ以上に向上しようとする意志を持たない場合が多い。
逆に経験のない人は、弊社の業務の進め方を吸収していくスピードが速い。
更に過去の事例や報告書の雛形等は与えず、全て自分で考えるようにすれば、仕事の面白さも倍増する。

簡単な業務ばかりで面白くない、という人も多いが、それを自分で作り出すことが果たして簡単かどうか。
人が作った業務を遂行するだけならばどのような業務も簡単であるが、なにかを創り出すということはどのような簡単な業務でもしっかりと考えていく必要がある。
クリエイティブなコンサルタントを育てたい、と多くの企業が望むが、そもそも育て方のシステム自体がクリエイティブを否定しているのではないか。

コンサルタントのように、当たり前の事象から問題点や機会を見出していく必要がある業務において、非効率ではあるが、全ての業務を考えて創り出す育て方も一考に値すると思う。

実際にはこのような育て方は不可能ともいえるが、育てる側の人がそういう考えを持つということが大事なのではないかと思う。