海上と日本の中小企業の経営者を比較した場合、最も大きな違いの差は仕事から頭を離すことができるかどうかである。

日本以外の経営者は仕事を考えずに休みを取ることが出来る。
いい仕事をするために仕事を完全に忘れて休みを取ることが必要で、それにより更に仕事の効率が上がるという。
私にはそれは出来ない。
どんなに休みを取っても、24時間仕事のことを考えている。

私はバブル時期に学生時代を過ごした。
最も影響を受けた1人であり、当初仕事に追われない人生を実践し、誰よりも楽しく稼いで人生を送ることを誓ったものである。

結婚しイタリアでMBAを学んでいた1年目の夏である。
イタリアは長期的な夏季休暇を取る国として有名である。
6月にはいると皆バカンスの話しかしない。
バカンス前で疲れているという。
休みのない生活を送ってきた私にとってそれはバカげた話であった。
普通の日本人より長い夏休みをもらった上でなぜ疲れているのか、人間は堕落すれば堕落するものだと軽蔑の目で同僚を見たものです。
ところがその次の年になって一番休みが欲しかったのは私でした。
他人ではなく自分として、人間は堕落すれば堕落するものだとあらためて感じたのでした。

当時読んだ本に松下幸之助氏のものがありましたがその中で会社のことをずっと考えているという文章に出会った時にこのようになりたくないという気持と自分自身の堕落にあきれた気持ちで複雑でした。

今は仕事から頭を離すことができない自分を宿命と思い、そうなることができた自分を幸せと思います。

この連載を読む人達は、同じことを感じている、そう感じ初めて悩んでいるといった人達だと思います。

仕事から頭が話せない日本人としての宿命を受け入れ、人生を磨き続けることで海外の人達とも本当に分かり合えるビジネスを展開することが出来ると思います。