コンサルタントの求めるもの


最近若いコンサルタントと話していると、「どれだけ高いフィーを得るか」という言葉がよく使われる。

おそらくコンサルタントとして高いフィーを得ていることは一種のステイタスでありそれを誇ることが自分の有能さを証明することになることも一つの背景となると思う。

私はこういう時、弊社で実践しているお客さんのお金を有効に使う方法等を話したりしているが、今まで「高いフィーを得よう」と思って仕事をしたことはない。

フィーはお客さんが決めるものだと考えていて、思ったからといって決して高いフィーが得られるわけではない。

今の時代、もう若い人たちにはうけないのかもしれないが、やはりコンサルタントは純粋に「どうすればお客さんの満足度を上げられるか」を考えて仕事に取り組むべきである。

お客さんの満足度を純粋に考えて継続的に仕事に取り組んでいけば、フィーも上がってくるのではないかと思う。




コンサルタントの育て方

弊社のような小規模な会社において、人の育て方として、最近考えされられることがある。

新しい会社に入ると、それまでの業務の進め方、報告書の書き方等を覚えていく。
この画一的に覚えていくという作業は、大きな企業であれば効率的である。
ただ、逆に小さな企業でそれぞれの個性を活かしたい場合、今までのやり方をそのまま受け継ぎ、自分で考えることをやめてしまうという欠点があるのではないか。

弊社では他のコンサルティング企業で働いた経験がある人よりも、別の業界で深い業務に関わってきた人を採用する例の方が多い。
コンサルティング企業で働いた経験のある人は、それまでの固定概念を破って弊社の仕事をすることが難しい。
これくらいでいいだろうという固定観念のもと、それ以上に向上しようとする意志を持たない場合が多い。
逆に経験のない人は、弊社の業務の進め方を吸収していくスピードが速い。
更に過去の事例や報告書の雛形等は与えず、全て自分で考えるようにすれば、仕事の面白さも倍増する。

簡単な業務ばかりで面白くない、という人も多いが、それを自分で作り出すことが果たして簡単かどうか。
人が作った業務を遂行するだけならばどのような業務も簡単であるが、なにかを創り出すということはどのような簡単な業務でもしっかりと考えていく必要がある。
クリエイティブなコンサルタントを育てたい、と多くの企業が望むが、そもそも育て方のシステム自体がクリエイティブを否定しているのではないか。

コンサルタントのように、当たり前の事象から問題点や機会を見出していく必要がある業務において、非効率ではあるが、全ての業務を考えて創り出す育て方も一考に値すると思う。

実際にはこのような育て方は不可能ともいえるが、育てる側の人がそういう考えを持つということが大事なのではないかと思う。




リラックスタイム 2



前回に、寝る、食べる、仕事する、スポーツする以外に何もしないと書いたが、もう一つリラックスできる時間があった。
飛行機に乗っている時間である。
飛行機の上ではできる限り仕事はせず、リラックスすると決めている。
最近はインターネットにつながるフライトも増えたが、それでも仕事をしている時間は限定的だ。
よく利用するエアーフランスのAppではフライトに関する統計を見ることができるが、エアーフランスで過去10年にフライとした時間が73日間となる。
この間はリラックスして過ごすし、唯一映画を見る時間帯なのである。

あまりリラックスする時間はないし、そういう時間があると不安になるのだが、それでもこの時間は必ずリラックスると決めているので有効に休めるし、フライト後の仕事にパワフルに取り組むことができるのである。

リラックスタイム


私の仕事は凡そ、以下の二つに分かれる。

  • 誰かに会うために移動している。
  • 書類等をまとめている。

書類のまとめ等をしているときは、世界中にいくつか固定的に作業できる場所があって、そこで集中して考えをまとめている。
と同時に、1日に1回はスポーツをしている。

基本的に球技が好きで、テニスとサッカーをやっているのだが、誰も相手がいないときは一人でジョギングに行く。

今日は相手をしてくれる人が誰もいなかったので、ジョギングに行った。

このように書くと、スポーツばかりで仕事をしていないように聞こえるかもしれないが、基本的に私が人生でやっていることは以下である。
これ以外のことは基本的に何もしないし、仕事をしない日は年に5日以内だと思う。

  • 寝る。
  • 食べる。
  • 仕事をする。
  • スポーツをする。


仕事のことで、なんやかんや考えながらジョギングをしていると、80分間があっという間に過ぎていった。
同時に、いろいろなアイディアが湧いてきて、仕事にも良い結果に結びついたと思う。

めったにジョギングに行くことはないのだが、最近は45分くらいが最長で、80分というのは何年ぶりかと思う。

リラックスタイム、健康、仕事の3つに有効に時間が使えるジョギングをする機会を今後増やしていこうと思う。





クロスボーダーM&A

最近クロスボーダーM&Aへの注目度が上がり、弊社にも多くの問い合わせが寄せられる。
弊社では10年以上、企業のクロスボーダーM&Aの意思決定に関してサポートを行っている。

私が思うことは、クロスボーダーM&Aと日本国内でのM&Aへの取り組み方は別に考えるべきだということである。

国内でのM&Aでは、買い手側、売り手側の少なくともどちらか、多くの場合両方にその業界の知識、経営ノウハウがある。
よって、M&AアドバイザーはM&Aの交渉や業務の進行に注力することができる。
M&A後の事業計画等は買い手側が売り手側のノウハウを得て立てるべきであり、M&Aアドバイザーがその業界の深い知識を求められることはない。

クロスボーダーM&Aにおいて、特にターゲットが決まっていない場合、買い手側はM&Aによって進出しようとする業界自体をよく知らない場合が多い。
弊社では業務拡大を狙ったクロスボーダーM&Aをサポートすることもある。
この場合、買い手側は既にその対象国で事業を展開しており、多少のノウハウはあるのだが、M&Aによる事業への効果を評価するだけの知識やノウハウはない場合が多い。
また、クロスボーダーM&Aを行い対象国に新規進出を狙う場合、買い手側の市場に対する知識は非常に限られている場合が多い。

よって、クロスボーダーM&Aにおいては市場調査を行うことをお勧めしている。
市場を理解することによって、M&Aの効果を理解できるし、M&Aではなく先ずは業務提携から進めたり、直接投資の方が有利といった状況が明確になる場合も多い。

また、企業価値評価や買収後の事業計画も国内のM&Aではアドバイザーや買い手側のM&A担当者が行うが財務や税務が異なる場合、早い段階で対象国の会計専門家と話をしておく必要がある。
日本の感覚で利益やキャッシュフローを評価すると、買収後に赤字になるということも多い。
単に接待費だけを見ても、全く認められていない国もあり、日本の中小企業を買収する意識で財務評価を行うと実際には赤字ということもある。

下記のM&Aフローにおいて、上のフローは国内を表し、下のフローはクロスボーダーM&Aを表しているが、弊社のようなアドバイザーを活用して市場調査から基本合意をすすめ、デューデリジェンスは現地の専門家を主体に進めていくくのが良いと考えられる。





外注先の選定

弊社業務の一環であるデータ入力業務を外注することにした。

私としてはこのような作業も、自分で手で入力することで成長するし、初めて業務をどう動かすか見えてくる場合も多いと思っている。

ただし、弊社スタッフの時間の制限などもあり、アウトソースできる業務は外に出していくのも手である。

複数の企業から見積もりを取っているが、基本的には価格はみな一緒で上下10%内に収まる。
作業時間に対して、圧倒的な付加価値の差を競合企業に対してつけにくい以上、見積もりも凡そ同じになってくる。

この場合、何を基準にどこを選ぶか、となるがやはり社長の哲学だろう。
どの業務でもそうであるが、この仕事もイージーミス等で相当なクレームを受けると思うが、その対応はやはり社長の哲学が長期的に反映されてくる。

おそらく、ウェブサイトを通してだけはあるが私と同じような哲学を持つ社長に依頼することになるのだろう。

数年前に某国の企業から、日本の大企業が初めて視察にやってくるときに社長はあいさつしたほうがいいか、あるいは様子を見たほうがいいのかと聞かれたことがある。

当時は明確に答えられず、その社長と相談して第一回目は様子見とした。

今思うことは、その社長の哲学に従うべきだということである。

社長の心の奥にある哲学を引き出してあげるのも、我々のようなコンサルタントの仕事である。

継続性と革新性

ビジネスを展開していくためには、継続性と革新性をバランスよく維持していく必要がある。

いわゆる伝統的なビジネスでは継続性が大事であるが、革新性を軽視すれば長期的にビジネスが縮小する。

我々のようなコンサルティングビジネスを展開する企業は、革新性が重要と考えられがちであるが、その革新性を継続的に実行するためにはやはり継続できる力が求められる。

継続性重視のビジネスを展開する企業と一緒に仕事をしていくにあたり、我々が提供する革新性がありがたいといわれることがある。

外から見て、一見派手な印象をあたえる弊社のビジネスであり、興味深くみられることも多いが、革新性を生むにはやはり継続的な努力が最も大事ということを伝えていきたい。


売上が先か利益が先か

売上と利益ではどちらが大事か、ということは鶏と卵的に議論される場合もあるし、戦略的にどちらを重要視するかという意思決定において議論されることもある。

大企業や安定した経営を行っている企業では、利益を重視する声が多く聞かれることもある。

我々のようにゼロから企業を立ち上げてきた者にとって、利益を重視する人達は甘えていると感じられる。
売上が上がって当然、あるいは利益率が低い売上は必要ない、といった考えが根底にあると思うが、売上が上がって当然ということ自体が甘えている。
もっと顧客がお金を払ってくるれることに対して感謝の気持ちを持つべきである。

また、基本的に利益というのは売上が上がって始めて議論できるものであり、利益重視を唱える人たちはその認識が欠けている。
利益の低い売上でも先ずは受注し、そこから利益を上げていく努力は可能であるが、売上がないのに利益を上げることはできない。

日本企業の元気がなくなっているという声が聞かれる場合、この利益重視の考えをもう一度見直し、少しでもお金を払ってくれようとする顧客に感謝の気持ちを込めて接することを忘れてはならない。

コンサルティング会社の資本金

人材集中型のコンサルティング会社にとっての資本金の意味とはなんであろう。
私も2008年からコンサルティング会社を運営してきているが、特に弊社のような小規模なコンサルティング会社にとっての資本金は今まで重要視してこなかった。
クライアントの取引先登録時に資本金の額が伝わるため、クライアントに対する見栄くらいにしか思っていなかった。

多くの案件を通じて、クライアントのバランスシートに関してアドバイスを行ってきたが、自社のバランスシートの意味はほぼ理解していなかった。

今回、新しくGIS Engineeringという別会社を立ち上げてある程度の資本金を積んでみて、初めてコンサルティング会社の資本金の意味が見えてきた。

この経験をもとに、今後弊社クライアントへのアドバイスも更に重みのあるものとしていきたい。

やはり、ビジネスには長年血のにじむような努力を積み上げて、初めて体で理解できるようなことも多いのである。

起業時の資本金

企業時の資本金はいくらが必要か、という質問は良く受ける。
ここでいう資本金とは、会社の定款に記載されている法定資本金ではなく、実際に事業を運営するのに必要なお金である。
基本的にビジネスプランを準備し、そこから算定するのが妥当な方法であろう。
企業によっては、既に売上が見込める顧客を準備している場合等もあり、資本金なし、という場合も多い。
また、法定資本金は少なくして個人の貯金をしばらくの運営に充てるという場合もある。

一般的なビジネスプランの指南書等を読めば、損益計算の仕方等、ある程度の想像はつく。
但し、これを海外での起業時に当てはめると、非常に厳しい場合が多い。
特に数百万円以下で起業しようとする人は注意が必要である。

海外への渡航費、自宅を借りるまでのホテル代、自宅を借りる場合の手数料等、見込んでいない費用が大きな負担となる。
これで既に計画が狂ってしまい、直ぐに挫折という場合も良くある。

更に、新規顧客を開拓する場合、ある程度の時間を見ておく必要がある。
やはり慣れない土地で提供する製品やサービスを効率よく販売するのには時間がかかる。
この時間をしっかり算定しておかないと、売上が上がらない焦りが悪循環を生む。

起業は怖いものである。
この怖さが、起業家を成長させるのもまた事実である。

但し、あまりにも無理な計画は検討する必要があるだろう。
当人には自分の気持ちの強さに隠されて無理な計画だと分からない場合が多い。

海外で、第一歩の起業を行う場合、我々のような専門家に相談してみるのが良いであろう。