リソースを用いて事業を発展させていくのに重要なもの、長期的に常に考慮していくものが情報と企業の長期的なブランド力である。

私は大企業の海外での事業展開における情報収集にも深く関与する。
大企業における情報収集に関してはそれだけで読みものとしても面白い本が一冊書ける程伝えたいことは沢山あるがここでは中小企業にとってどの様な手法で情報を収集していくかを中心に述べる。
大企業は大企業に適した手法があり中小企業のそれとは違う。
何故ならば求められるリターンが違うからである。
詳しい内容は別の章で述べるが、中小企業の経営者でも情報収集に1億円かけて3日後にそれが3億円になるとすれば、唯もが手を挙げて銀行から金を借りるであろう。

中小企業の情報収集は、海上進出を目指す経営者にとって自らが最先端に立って行うべき活動である。
この連載を読む経営者の中には自分が創業者という方も多いであろう。
創業当時を思い出して欲しい。
自らが先前線でクライアントと接していた時の必死さ、情報をである。

ここで売上を50億円未満とそれ以上の企業に分けよう。
この区分はあくまで私の経験論であり、その企業の特性、扱う製品等によって個別に判断するものである。
いずれにしても、この区分を経験的に同意してくれる経営者は多いと思う。

売上50億円未満の経営者は少なくとも重要な情報収集の場所には必ず顔を出すべきである。
英語が苦手でそのような場に顔を出さない経営者も多いが、ここが成功できるか出来ないかの違いと思ってもよい。
英語が苦手、あるいは全く出来なくても打つ手はある。
但しクライアントの同じコメントを聞いても、経営者の理解は大きく違うことをあらためて認識して欲しい。
ましてや日本語の通じない海上営業ではなおさらである。
大企業がかける情報収集への費用は、経営者の現場への移動費と時間に当てることが重要である。

売上が50億円以上の経営者は個別に判断した方が良い場合が多い。
これらは個別な例を取り上げながら解説していく。


ブランドカは最も難しい部分であろう。
これは経営者の性格、意志カが大きく関与する。
私も弊社のブランドカの向上に日々頭を悩ます一人である。
この連載を読み少しでも共感いただければ個別に議論し独自の海上進出を成功に持っていければ良いと考えている。
これは基本的に哲学であり世界中で勝負をしていくのに哲学が最も大切ということは日本で生まれた経営者にとって忘れてはならないものである。